ぼくの見ている世界

感じたことを記録として書いていきます。

20170516チャペルの原稿

動画
youtu.be


以下原稿。
動画とは少しちがうところもありますが、ほぼままです。


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こんにちは。

2007年総合政策学部総合政策学科卒業生の小林和香と言います。

2007年のリサーチフェアでセクシュアルマイノリティを取り上げてからかれこれ10年ほど多様な性に関わる活動をしてきました。2010年に関学の授業で自分の体験談を話したことをきっかけにその後、小学生から大学生まで、企業や行政の皆さんの前でお話する機会を100回以上いただきました。淀川区ではLGBT支援事業という行政主体の事業があるのですが、その運営に携わったり、西宮市教育委員会の先生方と先生向けのリーフレットを制作したりしてきました。また関学で今年5回目になる関学レインボーウィークの立ち上げと運営に関わらせてもらってきました。今は神戸IDAHOという皆さんに配ったチラシの団体の代表をしています。ホームページに詳しく載っていますが、5/27は神戸マルイ前で路上アクションをしますので、ぜひ遊びに来てほしいです。メッセージも募集していますので、このチャペルのあと、ぜひメッセージを投稿してくれると嬉しいです。


さて、



今日は「多様な性」について話しにきました。
セクシュアルマイノリティ」とか「LGBT」という言葉をメディアで見聞きしたことがある人もいるかもしれません。

今日はじめて当事者に会った!と思った人もいるかもしれません。

だけど、ぼくは総合政策学部の卒業生で、エコハビタット関西学院で、関学よさこい連炎流だった、みんなと変わらないKSC生です。

セクシュアルマイノリティは最新の調査では13人に一人いると言われています。
ぼくのような性別があいまいな人でバイセクシュアルの人もいるし、同性を好きになる人もいる。生まれた性とは違う性別で生きたいと望む人もいるし、恋愛をしない人もいる。複数好きになる人もいる。

まずここで皆さんに捨ててほしいものがあります。

セクシュアルマイノリティは自分の近くにはいない」という思い込みを捨ててください。

ぼくが皆さんと同じ大学生だった時、自分の近くに「セクシュアルマイノリティはいない」と思っていました。
学校で勉強したこともなかったし、男女二元論の世界にどっぷり浸かっていて、自分の中に偏見があることにさえ気づいていませんでした。自分がセクシュアルマイノリティであることにも気づきませんでした。

関学で傷いてほしくないし、傷つけてほしくない」
そう思って10年前に学内でセクシュアルマイノリティに関する活動を始めました。

セクシュアルマイノリティは身近にいる、そして自分がそうかもしれない」

心の中で、繰り返し唱えてみてください。
それだけで随分世界の見え方が変わるはずです。

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今度は、皆さんに質問があります。
「あなたはいま自分らしく生きれていますか?」

この講義が終わるまで繰り返し思い出してください。

「あなたはいま自分らしく生きれていますか?」

ぼくが学生だった時、ぼくは自分自身の「らしさ」について考えたことがありませんでした。

一緒に考えてみてください。

あなたのしたい服装は、自分で選んでいますか?
「女らしく」ないといけないと思っていませんか?
「男らしく」ないといけないと思っていませんか?
中途半端ではいけないと思っていませんか?
呼ばれたい名前で呼ばれていますか?
好きな人のことを隠さずに生きれていますか?
人からされて嫌なことに嫌だと言えていますか?
自分を押し殺して生きていませんか?
あなたのしたいことは、あなたが選んだことですか?

ぼくはこれらの事をもっと早く教えてほしかった。
例えば小学校のときに聞いておきたかった。

なぜかというと、
「自分らしく生きれているか」考えたことがないということは、

大切な友達や恋人、家族、まわりの人が
「その人らしく生きられているか」を考えたこともないと思うからです。

ぼくは「多様な性」を通して「自分らしさ」を考えたとき、
いかに今まで自分を押し殺して生きてきたかに気づきました。
そして、今までこの口が発してきた言葉がどれだけの人の「その人らしさ」を傷つけてきたかということを思い知らされました。

卒業してからえこはびの先輩にカミングアウトされました。
「わか、私もセクシュアルマイノリティなんだ。
飲み会でいつも介抱されるまで飲んでいたのは、みんなの恋バナがしんどかった。本当にしんどかった。」

いつも飲み会で介抱していた先輩が、卒業して何年もたって電話で打ち明けてくれました。
ぼくはその先輩のことをとっても尊敬していて大好きでした。
大切な仲間でした。
だけど、ぼくは何度か先輩に「どうして彼氏がいないの?」
「女っぽい格好はしないの?」聞いたことがあったと思います。
そして女装して笑いをとる仲間といっしょに笑っていました。
ホモネタで笑う仲間と一緒に笑っていました。
ぼくは考えたこともありませんでした。
ぼくの大切な仲間にセクシュアルマイノリティの人がいるかもしれないということを考えたこともありませんでした。

その瞬間楽しかった過去が一気に色あせて灰色になったのを覚えています。

セクシュアルマイノリティを通じて「らしさ」について学んでいくと、他のマイノリティについて無知であったことも思い知らされました。

えこはびや炎流に障がいがあるから入りづらいと思っている人がいることを考えたこともなかった。
えこはびにいた、朝鮮籍の仲間がなぜ海外にいけないのか考えたこともなかった。
部落出身、在日だから就職活動がしんどかった仲間のことを考えたこともなかった。
空気を読めないといわれた友人が発達障害かもしれなかったことを考えたこともなかった。


「あなたは自分らしく生きれていますか?」

今日ぼくは三田まで来て、みんなに伝えにきました。
大切な人を傷つけてほしくないから。
そして自分のことを大切にしてほしいから。

あなたは自分らしく生きれていますか?

そして、大切な人の「その人らしさ」を考えたことはありますか?

Think Globally、 Act Locally(地球規模で考え、足元から行動を起こす)
総政のスクールモットーです。

ぼくは海外にいって学ぶことが大切なんだと思っていました。
だからフィリピン、インド、韓国、海外に言って貧困についてボランティアについて考えてきました。

もちろん海外で学ぶことはとても大きいです。
でも、ぼくはそのあとどうすればいいのか、という部分を間違っていました。

いま隣にいる大切な人が何に困っているのかを考えることこそが、Think Globally、 Act Locallyだということに卒業してから気づきました。

あなたがあなたらしく生きられていることが何より社会を豊かにします。あなたが自分らしく生きられていたら、あなたはきっと隣にいる大切な人の生き方を応援することができるはずです。そうすれば、あなたが大切にした大切な人は、その隣の人に同じことができるでしょう。

今この瞬間、あなたがかけている、「ふつう」という言葉に縛られた「色めがね」を外してください。
どうかあなたらしく生きてください。

今日初めて人前で「ぼく」という一人称を使いました。
ぼくの第一歩が、みなさんの一歩につながれば嬉しいです。

ぼくの話は以上です。
ありがとうございました。